DVDの次はネットワーク配信なのか(再)

次世代光ディスク戦争の陰で、映像コンテンツの配信に乗り遅れる日本 - CNET Japan
2回続けて同じ内容で同じ趣旨を書きます。ネットワーク配信が対抗できるのは頑張ってもせいぜい現状のDVDであって、Blu-rayHD DVDなどの次世代DVDではない。
ネットワークが次世代パッケージメディアを食うと本気で考えているのは、家庭向けネットワークインフラや民生用ネットワーク機器で配信の実験をしたことがない人だけだと思う。あるいはMSやAppleが言っているのをそのまま信じている人か。実験してみるとわかるが家庭内に配信サーバを置き有線接続のネットワークを占有した状態でもDVDレベルの配信(10Mbps)でもまれに途絶するので映画を集中してみれる環境かどうかはあやしい。Blu-rayレベルの(60Mbps)は明らかに無理。家庭内ですらそれだから、ネットインフラとなると光接続が比較的普及している日本でさえ最大100Mbpsだけど実効平均20Mbpsなのでリアルタイム配信は論外。
Appleはちゃんとそれを理解していてAppleTVではリアルタイムではなくダウンロードしてHDDに蓄積することを前提としている。しかし、Blu-rayのコンテンツをダウンロードするには日本でも20Mbpsとして6−7時間かかることになる。それならレンタル屋に借りにいった方が早くない?ダウンロードすると観るのは明日になりますよ?AppleのHD配信は実は720pなのでフルHDの半分としても3−4時間。どのみち仕事帰りにレンタル屋に寄る方が楽。そして、実際に観た人ならわかるけど、Playstation 3でアップコンバートしたDVD映像と720p映像なら大差ない。それなら今のDVDでよくない?平均的な家庭が光接続して、家庭内LANを有線のギガビットにして、AppleTVのような専用機器を買うのに何年かかるか。たぶん、10年はありえない。
そういったわけで、インフラの改善は最低10年ぐらいのスパンでしか改善しないことを鑑みるに、現在のネットワークインフラで配信が食えるのは現在のDVDレンタル市場であって、次世代メディアのパッケージ販売ではない。しかもそれでさえ、レンタルの次世代メディア化が進めば危ういものである。